16年度第3回松山市議会質問録
・坂の上の雲を軸とした21世紀のまちづくり政策
・人材の外部導入並びに職場環境整備
・幼稚園、小学校、中学校における情操教育
以上について質問いたしました。
〔横山博幸議員登壇〕
○横山博幸議員
新風会の横山博幸です。ただいまより質問させていただきます。
現在、地方自治法が施行され、50年以上たちますが、いまだほとんどの地方は自立できない子どものままであります。親、つまり国から小遣い、いわゆる補助金をもらい、御丁寧にもその使い道までも指示されているありさまであります。目本経済が高度成長していたとき、地方はまだ10代の少年でありました。小遣いをもらってもさほど奇異な感じはしなかったし、親子関係はそれがベストだったのでしょう。しかし、今地方は50歳を過ぎ、そろそろ熟年に差しかかろうとし、親も高齢で収入がないというのにもかかわらず、いまだ親離れができない状態にほとんどの自治体があります。極論ではございますが、今こそ我々子どもである地方は、勘当を覚悟で家を飛び出し、自立する勇気を持たなければならないのではないでしょうか。それでは、自立のために何が大切なのでしょうか。例えて言えば、ほとんどのレストランにはメニューが瞥さんはそのメニユーを見て注文します。しかし、仮にメニューのないレストランでは、何を注文すべきか判断がつきません。実は、これまでの地域づくりは、このレストランに例えることができると思います。つまり、地域の特性は何なのか。他地域と比べて何に優劣があるのか。まさにメニューのないレストランがこれまでの地方自治体でありました。だから、来客も必然的に少なくなり、経営不振に陥るわけであります。また、くしくも1699年、元禄12年の本日、江戸の豪商川村瑞賢が亡くなった目であります。この方は、お盆の精霊流しで使われたウリやナスを集め塩漬けにし、新しい香りの漬物として売り出したことをきっかけに、財をなした人であります。これがお新香の語源となっているわけでありますが、地域にあるものを知恵で活用した成果であると思います。考えますに、中村市長は、市長就任前よりこのことにいち早く気づかれ、就任後直ちに全国に先駆け、地域の特性を生かした他市にはない絶対優位な坂の上の雲を軸とした21世紀のまちづくりに着手したものと推察し、その着眼に敬意を表するものであります。持論ではございますが、これからの自治体はまず生き残るための長期営業戦略を立てること、次に人材の活用、育成を図り、強い組織をつくること、3つ目に、次世代を担う子どもたちの教育に力点を置くことだと考えております。したがいまして、本目はこの3点について質問をいたします。
初めに、松山市の長期営業戦路であり、昨目国の地域再生計画第1弾として内示を受け、21日に正式認定を受ける坂の上の雲を軸とした21世紀のまちづくり政策についてお尋ねいたします。坂の上の雲の政策に関しましては、今まで議会で再三にわたり議論されておりますが、徐々にその姿が見え始めたこの段階で、あえて課題を整理する意味で質問をさせていただきます。
さて、近年の我が国の経済情勢は、1回復の兆しが見えてきたと言われておりますが、依然として厳しい状況が続いており、地方財政を取り巻く環境も国の進めております三位一体の改革に伴う国庫補助負担金の一般財源化と、地方交付税の大幅な削減など、大変厳しい時代を迎えております。この三位一体の改革につきましては、民間にできることは民間に、地方にできることは地方にとの方針で進められている国の構造改革の一環でありますが、缶区^想の推進など、同本経済と杜会の再生を図る努力は続けられており、松山市がこの激化する地域間競争に打ち勝っていくためには、目標を明確にした上で、地域の主役である市民が自発的に参加し、役割を分担する市民参加型行政の推進が必要であります。
そこで、中村市長におかれましては、21世紀初頭にふさわしいまちづくりのビジョー1イを示した第5次松山市総合計画を策定し、常に坂の上の雲を見据えながら、「みんなでつくろうみんなの松山」の精神にのっとり、市民との協働によってオンリーワン、ナンバーワンの「憧れ誇り目本一のまち松山」の実現に向け各施策を鋭意推進されておりますが、市長がまちづくりのテーマとして提唱されております坂の上の雲のまちづくりは、閉塞感の漂う現代杜会にあって、夢、理想、目標を持つことの大切さを提唱しており、基本構想、基本計画に基づき今後実施が予想されている各種事業計画は、松山市の将来を大きく左右する政策であると言っても過言ではないと思います。去る4月に発行した坂の上の雲まちづくり債には、5億6,000万円の発行額に対し、実に予想を大きく上回る10.8倍、4,611人の申し込みがあったと伺っております。これも市民のまちづくりへの参加意識のあらわれであると思います。そこで、質問の第1点目は、本政策の根幹にかかわる理念についてであります。市長は常々、小説「坂の上の雲」には、青い天に浮かぶ一架の雲を見詰めて明治を生きた人たちが、外国に負けない国をつくっていこう、みんなでつくろうという一つの目標を持って坂道を上っていく、たとえそれが険しくとも、つらくとも、雲をつかむために黙々と歩み続けた光景がさわやかに描かれている。そのことを現代に置きかえると、みんなで夢や目標や理想を持ち、それに向かって一生懸命生きていこうというメッセージである。こうした精神を松山から全国に発信し、物語性のある町をみんなでつくっていこうと言っておられます。小説を題材にしたこの計画は、小説の3人の主人公である正岡子規や秋山好古、真之兄弟などの関連施設を含む本市の歴史、文化などの地域資産を回遊させる、都市観光を推進するまちづくりとして取り組んでいるものと認識しております。しかしながら、市民の声が寄せられている中には、記念館を中心とする箱物行政であるとか、観光客をふやす観光関連産業主体の振興策ととらえ、マイナス面を指摘する方々もおられますが、私は全国に幾つもの例がある御当地ドラマのまちづくり、そんな性のまちづくりではなく、市全体を活性化させ自治体として生き残りをかけた文化的、経済的教育的戦略ではないかと考えております。作家馬遼太郎さんが小説「坂の上の雲」を通じて松のために残してくれた大いなる遺産をまちづく政策とする、その根幹理念についてお尋ねいたます。第2点目は、本政策の経済波及効果の判についてお尋ねいたします。国におきましては、稚内から石垣までの全国都市再生の緊急措置をげ、推進している中で、その好事例に本市の坂上の雲まちづくりを選定し、小泉総理の所信表におきまして、知恵と工夫による地方の個性あ取り組みとして紹介されたことは、記憶に新しいところであります。このことは全国からも注目され、同時に知名度が高まっていることは、本市にとって望ましいことであります。本市がこのまちづくりを進めていくことで、地域杜会や経済が活性化し、自立ある発展に寄与していくことが重要であると思いますし、町が元気になり、人が集まることによって経済効果は生まれるものであります。平成16年1月にNHKから公式に21世紀スペシャル大河ドラマ「坂の上の雲」の製作に取りかかると発表されたときは、まさに松山の追い風となると確信したのは私だけではないと思います。この風によって、今後坂の上の雲フィーノレドミュージアム構想の具体化と相まって、松山の地域経済に直接、間接的に大きな効果をもたらすことが考えられますが、どのぐらいの経済波及効果が見込まれると試算されているのか、お尋ねいたします。第3点目は、本政策の市民への浸透手法についてお尋ねいたします。新聞などの読者投稿欄に、仮称坂の上の雲記念館を初め、このまちづくり政策についての投稿がよく掲載されておりますが、計画の内容及び計画策定の過程において、広報や報道機関を通じて市民に積極的に情報を発信することが必要だと思います。この事業を推進していくためには、小説「坂の上の雲」の精神を市民一人一人に理解を求め、押しつけではなく自主的にそれぞれがまちづくりの担い手として参画、協働していくことが重要だと思いますが、まだまだ小説「坂の上の雲」とまちづくりの関連性が市民に十分浸透してないように感じます。スペシャル大河ドラマ放映など、さまざまな要因によって観光客の増大が見込まれますが、もう一度松山を訪れてみたいというリピーター、再訪間者の確保につなげていくためには、市民参加が必要不可欠であると思います。現在、市では市民のまちづくりに対する意識を高めるため、坂の上の雲まちづくり勉強会やまちづくり市民塾など、さまざまな啓発事業を展開されておりますが、より多くの市民がこのまちづくりに共感し、参加したくなるような環境をつくることが必要だと思います。そこで、本政策の市民への浸透手法について、今後どのように展開していくのか、お尋ねいたします。次に、本政策で、記念館はまちづくりの中でどのように位置づけられているのかをお尋ねいたします。この仮称坂の上の雲記念館は、平成15年4月に記念館基本計画が策定され、設計は著名な建築家安藤忠雄氏に決定しており、フィールドミュージアム構想の中で松山城を中心とするセンターゾーンの中核施設として平成18年度の完成を目指しております。この記念館が位置するセンターゾーンは、短期的整備としての重点地区としてロープウェー通りのファサード(※町並みを統一させる事業)整備事業や、民間主導で整備している秋山兄弟生家跡復元事業などさまざまなものが同時期に動き出しております。完成後は、周辺施設と連携を図ることで中核施設としての潜在力も上がってくると思われますが、大切なことは記念館の持つ機能であります。これら周辺施設と連携を持たすためには、この記念館はまちづくり計画の中でどのように位置づけられているのか、お尋ねいたします。最後に、本政策を長期的視点に立った場合、どのように継承していくのかお尋ねいたします。坂の上の雲のまちづくりは、小説「坂の上の雲」を媒体にしながら、作品に描かれた時代や、人とその背景となっているさまざま事象などを物語でつなぎ、その精神と創造的知見により松山の文化的資産をもとに新しい地域づくり、人づくりに生かしていくことだと思います。そこで、市内に点在するゆかりの地を機能的、動線的に連携させ、物語のあるまちづくりを展開していくためには、その核となる施設が必要であると考えますミ、平成13年3月に作成された坂の上の雲まちづくり基本計画では、フィールドミュージアムの実に向けたさまざまな取り組みを優先度を考慮しながら具体的な事業メニューとして整理し、それの考え方と、各事業に対応した個別の計画の基本的な方向が示されています。北条市、中島町との合併を間近に控え、今後の地方自治体を取り巻く環境も変化していくことが予想されますが、このような状況の中で、現在本市がまちづくりの基本理念に位置づけているこの政策を、長期的な視点に立ってどのように次世代に継承していくのか、お答え願います。
続きまして、人材の外部導入並びに職場環境整備についてお尋ねいたします。さきの質問の中で申し上げましたとおり、地方自治体を取り巻く環境は確実に厳しくなってきております。こうした状況の中、行政経営も民間企業の経営と共通する点があると思いますが、経営の3要素は人、勅、金と言われております。特に、人は3要素の中の物、金を生み出す最大要素でもあります。さて、人材面で松山市を見てみますと、職員には近年の厳しい試験、面接を踏破し、さらに行政実務を経験した優秀な人材が存在しており、また松山市参与設置規則に基づき、専門委員として4名の方が市長の特命事項に関する調査、研究を行うため、特別職非常勤として任用されております。参与4名のうち市の出身者は3名、民間企業出身者が1名であります。また、その他常勤の特別職で民間企業出身者は3名であり、それぞれの分野で多くの実体験により積み上げてきた実績をもとに、市の出身者ともども十二分に市行政に貢献をいただいておりますことは、内外ともに認めるところであります。しかしながら、坂の上の雲のまちづくりを基本理念に、今後松山市がいかにして全国の自治体に比較して競争優位に立てるかという外部対策、また合併後には約3,800人となる職員の人材育成、能力開発などの内部対策、いわゆるマーケティングとマネジメントなどの分野に民間のすぐれたノウハウや経験を持つ人材を登用することにより、独白性のある自治体へ、さらに行政サービスの質の向上へと革新が図れると思いますが、今後の民間企業経営経験者の登用についての見解をお尋ねいたします。次に、快適在職場環境づくりについてお伺いいたします。近年の技術革新の目覚しい進展は、職場環境を大きく変えてきており、このような変化の中で労働者がその生活時間の多くを過ごす職場において、疲労やストレスを感じることが少ない快適な職場環境を形成していくことが極めて重要となってきております。また、快適な職場環境の形成を図ることは、労働者の有する能力の有効な発揮や、職場の活性化にも資するものと考えられます。厚生労働省告示の事業者が講ずべき快適な職場環境の形成のための措置に関する指針の第1、快適な職場環境の形成についての貝標に関する事項によりますと、快適な職場環境の形成は、作業環境の管理として、空気環境、温熱条件などの作業環境が空気に汚れ、暑さ・寒さや不十分な照度などにより不適切な状態にある場合には、労働者の疲労やストレスを高めることから、空気環境について浮遊粉じんや臭気などの労働者が不快に感じる因子が適切に管理されたものとするとともに、温度、照度などが作業に従事する労働者に適した状態に維持管理されるようにすることとなっております。このことは、作業時だけでなく、休憩時にも該当することは御理解いただけることと思います。そこで、第1点目に空気環境の点でございますが、6月5目付愛媛新聞、門欄に医師の方からの投稿があり、市関連施設に設置してある喫煙用空気清浄機は、受動喫煙防止対策としては全く無効であると指摘しております。その理由として、当機器は一酸化炭素、ニコチン、ダイオキシンなどの大部分の有害ガス成分は素通りしてしまい、除去できないとの判断でありました。なお、当機器に関しましては、以前にも議会質問に出ておりますことは承知しておりますが、再度お尋ねいたします。現段階において、この点についてどう判断されておりますか。また同時に、新たな禁煙対策、分煙対策も検討すべき段階に来ていると思いますが、両点について御答弁願います。第2点目に、昼食時間の消灯についてお尋ねいたします。御承知のとおり、食事は胃常生活の中での楽しみであり、勤務者にとり、昼食は同時に午前中の仕事により疲労を感じた心身をいやす貴重な時間でもあります。そのためには、雰囲気づくりへの配慮が必要であると思いますが、残念ながら、現状では松山市地球温暖化対策実行計画に基づき、消灯などの省電力の推進を掲げております関係上、朝の始業前点灯、残業などの部分点灯と同様、昼休みも消灯をしております。つまり、職員の方々は電気の消えた状態の中で食事をしております。これは、どなたが見ても精神衛生上好ましい状態ではなく、心身をいやすどころか、逆にストレスを感じてしまい、午後からの業務にも悪影響を与えていることと思います。個人的見解を申せば、例えば点灯時間の制限をするとか、他の部分で温暖化防止、節電をするなど、全体として数値を下げることは可能だと思いますので、その方法を検討すべきであると強く望みますが、改善に対する御答弁をお願いいたします。なお、温暖化対策の指針を拝見しますと、健康面や業務の都合など、消灯が困難なことが考えられる場合は各課長の判断にゆだねるものとしますとのことですが、昼食時に関しては統一見解が必要だと思います。
最後に、幼稚園、小学校、中学校における情操教育についてお尋ねいたします。教育の世界におきましては、戦後50年間の教育の反省に立って、大きな改革が行われております。教育は、子どもたちに時代を超えて変わらない価値あるものを身につけさせる必要があると言われており、中央教育審議会では国語をしっかり身につけること、我が国の歴史と文化を大切にする心を養うこと、たくましく生きるための健康と体力を養うこと、さらに正義感や公正さを重んずる心、他人を思いやる心、人権を尊重する心、自然を愛する心など、いわゆる心の教育の重要性を指摘しています。先目も、長崎県で小学6年生の同級生殺害という悲しい事件がありました。同様の事件は、記憶に新しいところでも1997年の神戸連続殺害事件、2000年の九州高速道路バスジャック事件、2003年には長崎幼児誘拐殺傷事件など、本当にいたたまれない事件の連続であります。しかしながら、いずれも加害者は過去に非行歴が多いわけでもなく、普通の家庭で普通に育った人たちによる事件であります。つまり、現代杜会では、いつどこでこのような事件が起こっても不思議のない状況になっているのではないでしょうか。少なくとも私の記憶では、二、三十年前には餓鬼大将はたくさんいましたが、今のような事件はほとんどなかったように思われます。何が原因なのでしょうか。効率性、利便性が重視されつつある現代杜会という杜会環境の変化の中に子どもたちが置かれているせいでしょうか。あるいはパソコン教育の弊害でしょうか。残念ながら、子どもたちの世界だけでなく、大人の杜会も同様であり、乾いた心にオアシスを与える環境づくりができていないせいではないでしょうか。考えますに、今の教育の中で基本的かつ最も重要な命の教育、心の教育がおろそかにされているのではないでしょうか。情操教育のより一層の充実を切望し、以下2点質問いたします。質問の第1点は、今大切なことは心の教育によって子どもたちの心に何かが生まれ、育ち、豊かさや幅の広さを獲得していく、そのことだと思いますが、情操教育の必要性への認識と教科学習、道徳教育、総合的学習、その他において具体的にどのくらいの時間をとり、どのように進めているのか、またその効果予測も含めてお答え願います。続いて、感性を磨き、育てる方法についてお尋ねいたします。身近なお話として、愛媛県の加戸知事は、書籍r心の教育の基礎・基本」の中で、音楽の効用として、唱歌や童謡をとらえ、これは私見に基づく提案であるが、家庭、学校、地域杜会のあらゆる場を通じて子どもたちが唱歌や童謡に接する機会を提供するように一大運動を展開してみてはどうであろうか。学校の休憩時間帯に校内放送で流し続けるのも一法であろう。予想されるお仕着せの心の教育よりはるかに効果の上がることは必ず実証されるものと確信する次第である。もちろん、クラシックや外国の叙情的な楽曲すべてについて妥当することでもあり、心の音楽教育推奨のゆえんであると述べておらんます。このように、子どもの感性を豊かにはぐくむには、第一に外から子どもの五感、感性を揺さぶることと言われており、この状況づくりとしてできるだけ自然なもの、本御、具体的なもの、真剣に働いている人の姿、多様な見方、考え方などに触れさせることであると言われております。こうした意味で、音楽だけでなく、スポーツ、絵画にもその効果が十分にあると思います。感性の入り口は、視覚、聴覚、嗅覚、触覚などといった感覚にあることは間違いなく、子どもに応じた教育が浸透する中で忘れてならないのは、集団で一つの目標に向かって協力する体験であります。集団で行動すれば、子どもは必然的に相互作用し、衝突しながらも励まし合うことで、さまざまな感情を体験します。これはまさにスポーツから得られる効果であり、みずからスポーツをする方はもちろんですが、スポーツ観戦者にもその効用は余りあります。この点、松山市は地域におきましては総合型スポーツクラブ設立を推進し、またプロ野球の試合誘致やヤクルトキャンプの誘致など、スポーツ政策に積極的に取り組んでいる二とは、教育上にも好影響を与え、高く価するところであります。しかしながら一方、音楽や絵画による情操教育は、音楽の時間が削減されるなど、いま一歩との感を受けざるを得ません。音楽や絵画には、それをつくった人や、かいた人の時代の喜びや悲しみを想像させ、聞く者、見る者をともに体験させるという、貴重な機会を提供する効果もあります。確かに、音楽と比較して絵画は鑑賞面におぎましてはいい作品を鑑賞する場合、わざわざ美術館に鑑賞にいかざるを得ませんし、絵画は高額であり、いい作品は身近なものでないとの印象を持ちますが、もっと身近に、ふだんの学校生活の中で絵画に接する方法があれば、自然に情操教育ができるのではないでしょうか。少し視点が違いますが、癒しと安らぎの環境フォーラム実行委員長の目野原重明医師も、医療施設や福祉施設での患者や入所者への音楽や絵画の精神的効果を実証し、施設への導入を力説しておられます。そこで、第2点目の質問は、学校での音楽に接する機会の拡大と、絵画も購入しなくとも観葉植物などと同じくリース方式もあるとのことであり、経費面、管理面の両面におきましても、絵画による情操教育も取り組みやすくなってきていると判断しますが、具体化の可能性についてお尋ねし、私の全質問を終わります。明確な御答弁をお願い申し上げます。
○丹生谷道孝議長
これより、答弁を求めます。中村市長。
〔中村時広市長登壇〕
○中村時広市長
横山議員に、私からは坂の上の雲を軸とした21世紀のまちづくり政策についてお答えをさせていただきます。
まず、本政策の根幹理念についてでありますが、21世紀は、少子・高齢化や地方分権の進展に伴い、地方都市を取り巻く環境は厳しさを増してきております。こうした状況下で本市が今後も持続的に白立、成長し続けるためには、産業、人材、自然、文化、歴史などの地域資源や、既に根づいている松山の特色を知意と工夫により有効活用し、松山らしい個性的なまちづくりを行うことが豊かな地域杜会を築いていくためには重要であると考えております。そこで、第5次総合計画には、まちづくりの基本理念として「『坂の上の雲』をめざして」を掲げさせていただきました。小説「坂の上の雲」には、松山に生まれ育った先人たちの高い志やひたむきな精神が脈打っており、その思いは、まちづくりに取り組んでいく上での貴重な指針と受けとめております。
次に、本政策の経済波及効果の判断についてでありますが、地域資源を市民参加で発掘、再認識し、それを磨き上げ、市民や来訪者に発信していくことで、ふるさと教育の振興や地域コミュニティーの活性化、町への愛着の醸成などが図られ、地域の知名度や魅力を向上させ、新たな地域発展策につながるさまざまな杜会的効果が期待されると思います。さらに、近年地域の歴史や文化に触れる体験学習型の需要が高まっており、スポーツ交流や体験型観光の振興などを図ることにより、文化的な資源をもとに新しいビジネス交流が促進されるなど、地域産業への波及効果も見込まれると思います。先般国に申請した地域再生計画においては、本構想を積極的に具現化していくことで、現在の約500万人の交流人口が600万人に拡大されることが予測され、このことを踏まえてさま」さまざまな分野での経済効果も見込まれるんではなかろうかと思います。
次に、市民への浸透手法についてでありますが、本構想の計画時から市民の主体的な参画によるまちづくりを推進姿勢に掲げ、これまでの行政主導のまちづくりから、市民と行政が歩調を合わせた協働のまちづくりを進めています。市民参加の前提は、まず多くの人にこのまちづくりについての理解と関心を持っていただくことではないかと思います。そこで、地域を知る取り組みとして、歩いて地域を学び楽しむふるさとウオークを7回開催をいたしまして、約1万人の市民の皆さんが参加をしていただきました。一方、地域の取り組みとして三津浜地区では、古い町並みを生かした三津浜生活博物館や、市民団体による蔵出しアートの開催、久谷地区ではホタル祭りなどの里山再生や、NPOによる遍路宿の再生事業など、住民主体のまちづくりが行われております。また、仮称坂の上の雲記念館建設や交通まちづくりといったテーマで市民まちづくり勉強会を3回開催し、うち2回は有料開催にもかかわらず、すべて満席になるなど、市民のまちづくりへの機運の高まりを実感しております。また、秋山兄弟の生家跡の復元につきましては、行政が主体ではなく、まさにまちづくりに関心を持った、関心のある市民の皆さんが中核になりまして、資金集めから含めてすべて市民主導で行ってくださっていることは心強い限りでございます。さらに、昨年からまちづくり市民組織の仕組みづくりとして、市民塾や都市再生モデル調査を実施し、創意工夫や地域二一ズを生かしたまちづくりにも取り組んでおります。議員御指摘のとおり、先般の坂の上の雲まちづくり債発行におきましては、発行額を大きく上回る10.8倍もの申し込みがあり、これも市民のまちづくりへの参加意識のあらわれであると思います。今後とも地域の取り組みに合った市民参加の仕組みづくりに努めてまいりたいと思います。
次に、記念館をどのように位置づけているのかについてでありますが、平成12年度にまとめられた基本計画で、記念館は坂の上の雲を軸とした21世紀まちづくりのシンボル施設として、小説「坂の上の雲」を媒介に、作者の思いを継承しながら、そこに描かれた時代や人、背景などを生き生きと再現し、その精神と創造的知見によって松山の文化的資産をべ一スにした新しい地域づくり、人づくりに生かしていく施設でございます。また、記念館はフィールドミュージアムのネットワーク形成を促す地域の活動や資源情報の発信など、まちづくりに関連する広報拠点としても位置づけているものでございます。最後に、長期的視点に立った場合、どのように継承していくのかについてでありますが、本政策は市民生活にかかわりがある道路や環境整備、あるいは観光振興など、これまで単体事業として取り組まれがちであった事業や活動を、まちづくりの視点、観点から総合的にとらえることにより、市良参画による本来の自治を実現しようとするものでございます。坂の上の雲のまちづくりは、新しい松山の創出に向けて市民が町のあるべき姿を描き、色をつけ続けていく活動が将来に向けて継続、蓄積され続ける限り、まさに住民自治としてはぐくまれていくものではないかと考えております。その他の質問につきましては、関係理事者の方からお答えをさせていただきますので、よろしくお願いをいたします。
○ 丹生谷道孝議長 渡部総務部長。
〔渡部剛総務部長登壇〕
○ 渡部剛総務部長 横山議員に、人材の外部導入並びに職場環境整備についてお答えいたします。まず、行政業務への民間企業経営経験者の登用についてでございますが、今国と地方が構造改革を進めておりますのは、単に官と民、あるいは中央と地方の役割分担を見直すだけにとどまらず、地方分権によって行政サービスの受益と負担の関係を明確にし、市民ニ一ズに合ったサービスを効率的に提供する体制づくりを目指しているものでございまして、厳しい財政状況の中で地域間の競争を乗り越え、個性あるまちづくりを進めるため、都市経営、地域経営といった視点を持った行政のあり方が必要となっております。そのことをとらえて、21世紀型行政の構築を行政の推進姿勢に掲げ、まず職員の意識改革やレベルアップを通して職員力の強化を図り、またアウトソーシング(※外部委託)を通して市民力の導入、拡大を目指してまいりました。お尋ねのありました民間企業経営経験者等のすぐれた民間の能力やノウハウを導入して、行政力として生かしていく方法としては、専門機関の講師による人材の育成指導や採用試験の面接官としての活用、あるいは公認会計士による包括外部監査等の間接的なものと、直接職員として行政の計画、執行に携わっていただく方法があると思います。今のところ、一般職としての幹部職員登用につきましては、地方公務員法等に基づく制約もあり、民間企業経営経験者を直接任用することは困難であると考えております。しかしながら、民間のすぐれたノウハウや経験を持つ人材を活用する道は必要であると考えておりまして、現在民間企業経営経験者等、高度な専門的知識を有する方を、参与を初め坂の上の雲まちづくり担当のディレクター等に特別職を非常勤職員として任用し、市政推進上の要所要所において御活躍いただいているところでございまして、今後におきましても必要に応じまして適任者を登用してまいりたいと考えております。
次に、快適な職場環境づくりについてお答えいたします。まず、本市に設置している喫煙用空気清浄機の効果についてでございますが、この空気清浄機はたばこの煙を吸い込んだ空気中に0.3ミクロンの大きさのほこり、カビ、バクテリア等が100個あるとした場合に、91個は集じんすることができるという集じん効率が91%の機能と、においのもととなる成分についても除去することができる機能を兼ね備えた機種でございます。ただ、たばこの煙の中のガス状成分の除去などでは、まだまだ能力が十分であるとは言えない状況にございますが、設置前に比べますと執務環境面での受動喫煙防止対策にも一定の効果が上がっているものと考えております。また、禁煙、分煙対策としましては、現在急患医療センターでは敷地内の全面禁煙、保健所、道後温泉本館等では建物内の全面禁煙を導入しているほか、昨年5月、本館1階ロビーに仕切りで隔離し、排煙設備を整え、完全分煙ができる喫煙室を設置するなど、実施可能なところから受動喫煙防止対策を講じているところでございます。今後におきましても、庁舎の構造上の制約やスペース確保等の問題もございますが、労働安全衛生法に基づき設置している職域組織の安全衛生委員会において、ハード、ソフト両面から種々検討してまいりたいと考えております。最後に、昼食時間の消灯につきましては、地球温暖化対策を推進するため、松山市地球温暖化対策実行計画に基づき、紙使用量の削減や節水、さらには節電の徹底など、職員が率先して取り組んでいるところでありますが、庁舎の耐震改修で窓がふさがれた箇所も出るなど、事情が変わったこともございますので、業務の都合など、それぞれの職場環境に合わせ、消灯、部分点灯を行うよう運用することとしておりまして、職場環境にも配慮しながら温暖化対策を進めようとしているところでございますので、御理解賜りたいと存じます。
以上で、答弁を終わります。
○ 丹生谷道孝議長 中矢教育長。
〔中矢陽三教育長登壇〕
○ 中矢陽三教育長
横山議員に、幼、小1中学校における情操教育について一括してお答えをいたします。情操教育は、みずからを律し、他人と協調し、思いやりのある心や命を尊重し、感動する心など、人間として欠くことのできない豊かな心をはぐくむものであるととらえております。そして、そういう意味から、今目の子どもたちをめぐる厳しい世情のもとでは、確かな学力の向上とともに、積極的に取り組んでいかなければならない教育課題であると認識をいたしております。申し上げるまでもなく、情操教育は家庭教育を含む幼少期はもとより、すべての教育課程を通じて行うべきものと考えておりますが、お話のように、現行の学校教育におきましては、音楽、図画工作、美術、道徳などが情操教育の中心的教科として位置づけられているところでございます。
なお、お尋ねのございましたこれらの教科に係る年間標準時間は学年ごとに異なっておりますが、小学校では50時間から70時間、中学校では一35時間から46時間、また道徳、総合的な学習の時間は・小・中学校ともにそれぞれ34時間から35時間、70時間から130時間となっております。学校現場では、こうした教科を中心にしながら、あらゆる教科や学習活動におきまして、情操教育につながるような教材や題材を取り入れ、授業を進めているところでありますが、これら全般にわたる教育活動の積み重ねによりまして、子どもたちの感性が磨かれ、情操豊かな心が育っていくものと考えております。なお、お尋ねの絵画のリース活用につきましては、他都市の活用状況も踏まえながら、情操教育における環境整備の一つの方法として今後の研究課題としてまいりたいと存じております。
以上でございます。
○丹生谷道孝議長以上で、答弁は終わりました。
愛媛を変える! よこやま博幸 | コメント (0) |
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